奈良県下市町
赤膚焼 大塩まな
これまでの経験を生かし、伝統ある赤膚焼窯元を継承。
400年の伝統を誇る赤膚焼の継承者
つくり手の大塩まなさんは400年の伝統を誇る赤膚焼窯元、大塩正人(おおしおまさんど)窯にその系譜がある。
時代が移り変わっていく影響で元々あった赤膚山の工房を離れ、現在は奈良県吉野郡にて山々で囲まれた自然豊かな環境の中、創作活動に取り組んでいる。
幼少のころから絵を描くことが好きだったまなさん。
高校では美術科の油絵を専攻。
コース選択の中に陶芸があったものの、版画を選び進んだ。
高校卒業後は洋画・油絵コースへ進学を考えていたが、「陶芸はいつでもできるって思っていたけれど、まだちゃんとやったことがない」とオープンキャンパスで気持ちが大きく変わる。
そして奈良芸術専門学校の陶芸コースへの進学を決める。
ちょうど講師をしていた父・正さんから教わることになったのだとか。
今まで陶芸をせずに普通に生活をしてきたからこそ、創作をしていく上で気付ける部分もある。
陶芸は絵も描けて、日常使いの食器もあれば、オブジェのような芸術表現もできる。
さまざまな表現方法があることに魅力を感じたまなさん。
父・正さんは窯元、姉・ほさなさんは絵付け師なので、家族の中での会話も陶芸の話が増えていったのだとか。
赤膚焼は白基調の「萩釉」と「奈良絵」が一般的だが、さまざまな色彩の釉薬や“掘り”を施したデザインも。
模様を彫り込み、あるいは粘土を付け足して立体感がある赤膚焼は、まなさんのこれまでの経験が生かされた創造性あふれるものだ。
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