先人の技を伝承するおいしさ

奈良盆地から熊野灘に通じる国道169号線で吉野に入り上市を過ぎると、吉野川の清流を右に見ながら緑の山裾を走る。

この国道に面した宮滝の地に、梅谷醸造元は位置している。

宮滝は、縄文・弥生時代に既に文化が開けていた地、また万葉集に詠われる吉野離宮があったため、天武天皇・持統天皇など歴代の天皇がたびたび訪れた土地である。

梅谷醸造元は明治時代半ばに創業。

宮滝の地で先人の知恵と技を伝え守り、100年以上おいしい味噌・醤油を作り続けている。

100年も使いつづけている吉野杉の大樽に仕込むのは、地元の人に愛されるよう厳選した材料だけ。

代々この家に棲みついている「おいしい味を授けてくださるこうじ菌」の力を借り、手を抜かず、合成保存料を控え、丁寧に造られている。

「おいしい味噌・醤油を届けたい」。

醸造の方法は長い歴史の中で工夫し研磨しているが、基本はほとんど昔と変わりなく、この風土、この自然を生かしたもの。

品質を保持するために量産はできない。喜んでもらえる、安心して食べられるように、常に“食べ旬”を蔵出ししている。