レモンのフレッシュさが広がる、週末のごほうびスイーツ

フランスの伝統菓子、ウイークエンドシトロン。

このお菓子には、ウイークエンド=週末に、柑橘系のレモンが香るケーキを“大切な人と食べて過ごしたい”という思いが込められているそうです。

つくり手の美保さんは、このお菓子を知った時とても幸せな気持ちになったといいます。

「大切な人にこそ食べてほしいから、材料にもこだわって、レモンの爽やかさでパッと気持ちが華やぐようなお菓子にしたいと思いました」。

今ではウイークエンドシトロンは、「cacika」を代表するメニューの一つ。

そして、実店舗オープンの構想とともに考えられたのは、地元食材でつくるウイークエンドシトロンでした。

都内産の無農薬レモンと平飼い卵を使用した、レモンの香りはじける爽やかなケーキです。

 

「はじける」という表現がしっくりくるほど広がる香り

箱から取り出すと広がる、レモンの香り。

ナイフを入れると、フワッとレモンの濃さが増していきます。

切り分けるごとに、まるで香りがはじけるようにあたりにレモンの香りが広がっていくのも、美保さんがつくるウイークエンドシトロンの特徴。

ケーキの上の、ミモザの花のようなレモンが華やかで、香りだけでなく見た目からも明るい雰囲気が演出されています。

もともとレモン好きだという美保さん。

国内のレモンの産地からさまざまなレモンを取り寄せ、レモンの良さをたっぷり味わえるレシピを模索してきました。

 

東京産レモンで地産地消。生産者と消費者の架け橋に

当初は無農薬の国産レモンでスタートしたウイークエンドシトロン。

日本にもレモンの名産地が各地にあり、広島県の瀬戸内のレモンを使用したり、他のエリアのレモンを使用したりとさまざまなウイークエンドシトロンをつくってきたそうです。

そんな中で出会ったのが東京産のレモン。

 

「東京というと『農』のイメージはあまりないかもしれませんが、cacikaから近い三鷹や国分寺にも無農薬で野菜や果物をつくっている農家さんがいらっしゃいます」。

地域に根ざしたお菓子屋さんでありたいと営業をスタートした美保さん。

地産地消も意識し、地元のレモンでcacikaを代表するスイーツを提案したいと考えたといいます。

 

材料はすべて国産。レモンを丸ごと使った独自のレシピ

ウイークエンドシトロンはフランスの伝統菓子なので、もともとの製法はフランス菓子がベース。

けれどもcacikaのお菓子は国産をはじめ、生産者の見える食材を使用することを基本としているため、美保さんのウイークエンドシトロンは材料もつくり方もすべてオリジナルです。

同じ小麦でもつくられた地域に合った扱い方があり、その風土ならではの味わいがあると美保さんはいいます。

ちなみにこのウイークエンドシトロンの材料は、レモンや卵だけでなく、小麦も甜菜糖も発酵バターもすべて国産。

日本の食材に合わせ、試行錯誤を経て生み出された唯一無二のレシピです。

「農家さんが大切につくってくださったレモンなので、丸ごと使用することにもこだわりました」。

果汁と皮のみを使うことが多い、ウイークエンドシトロンの定番レシピ。

一方で美保さんのレシピでは、レモンを余すところなく使用しています。

環境のためにも食品ロスを軽減し、廃棄のないよう、食材の恵みに感謝しながら効率の良いお菓子づくりも目指していきたいと語ります。

 

レモンの皮と実と果汁、それぞれを引き立てて

レモンを丸ごと使用するため、まずは皮を削る作業からウイークエンドシトロンづくりの工程がスタートします。

実は果汁を少し絞った後、コンフィチュールにして生地に混ぜ込みます。

 

「ポイントはすべてを手作業で行うことです。大変ですが、この手間で風味が驚くほど豊かになります」。

機械を使うと、レモンが細か過ぎて食感が消えてしまったり、香りが立ちにくくなってしまったりするとのこと。

ケーキが焼き上がったら、熱々のうちにレモン汁と甜菜糖でつくったグラッスアロー(フランス語で砂糖水)をかけます。

この工程で乾燥を防ぐとともに、シャクッとした食感と甘酸っぱさを楽しめるようにしています。

最後に香りづけのゼスト(皮を削ったもの)をかけて一層レモンの香りをまとわせれば、美保さんのウイークエンドシトロンの完成です。

 

「ケーキの香りづけに洋酒やスパイスを使うことがよくあるのですが、cacikaではあまり使用していません。小さなお子さんもおいしく食べられるように、このウイークエンドシトロンに限らず、普段から天然のフルーツなどで香りづけをしています」。

 

自然のおいしさで元気が湧いてくるようなお菓子を

食材全てに気を遣っていると話す美保さん。

それは単純に、無農薬の食材を用いるということなどではなく、自然のおいしさを優しく表現することにこだわった気遣いのようです。

お菓子は体調が良い時にこそ食べたくなるものですが、ある時お客さんから「体調が悪い時にもここのお菓子なら食べられました」と言われ、とても嬉しかったことがあるといいます。

「甘いものが苦手だったけれど食べられた」

「拒食症の子でもおやつの時間が楽しみになった」

こうした声も大きな力になっていると美保さんは語ります。

「楽しいシーンに似合うお菓子であってほしいという思いもありますが、辛い時や心が沈んでいる時にも寄り添える、そして食べたら少し元気になれる、そんな存在になれればいいなと思っています」。

取材担当からのコメント

北織麻美

レモンの香りに包まれながらの取材で、気持ちが明るくなり、元気になれた気がしました。美保さんがお菓子づくりをしている様子が、とても幸せそうだったのが印象的でした。お客さんから「すっごくおいしくて幸せでした」と言われることがよくあるそうで、美保さんのハッピーな気持ちがお菓子を通して食べた人に伝わっているのかな、とも思いました。

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東京都杉並区西荻南自然菓子cacika

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