奈良県吉野郡黒滝村
吉村製麺所
手延べそうめん・そばを買い求めにくるファンが全国に。
「おいしい」が広がって全国に広まった手延べ麺
創業は1983年。
当初黒滝村の過疎化対策として役場からの提案をきっかけに、そうめん作りをスタート。
それまでは材木業をしていたが、材木が下火になっていく時代だったこともあり、夫婦の夫である利明さんと妻の由美子さんで決心。
当時から全国的に有名な桜井市の三輪そうめんを作る「池側」さんに修業のためご自宅から通うことに。
とても細く伸ばす手延べそうめんを作るところから始まったそう。
桜井市と比べると湿気の多い黒滝村。
いろんな困難を乗り越えてどうにか開業にまでこぎつける。
開業当日はこれまで関わってきた多くの人の協力を得て、製造していく。
現在ほど機械が整っていなかったため、練る機械はあったけれど、その次の工程は足踏みで、それから伸ばして…20工程ほどあるため夫婦2人で大変な作業をしてきた。
手延べそうめん作りでは、塩の調整や温度管理などでたくさんの苦労をしてきた。
そうめん作りをしている中で、三輪そうめん以外にも有名なそうめんはあるから、いそうめんだけではいつか売れなくなってしまうのではないかと考えたことをきっかけに、そば作りを始める。
そうめん作りには師匠がいるため、何かに躓いたら相談ができたけれど、そばは違う。
試行錯誤して完成した手延べそばは、好評で全国に広まっていった。
それから1度口にした人は「そのそばじゃないと!」大量買い、定期的に注文する人が多い。
夫婦二人三脚だったが跡継ぎとして「吉村製麵所」に加わったのは長男の利宏さん。
そんな順風満帆な中、利宏さんが不慮の事故に遭い、亡くなってしまう。
その辛さから休業することに。
そのまま閉めてしまおうかとも考えたが、「待ってくれているお客さんがいる」と次男である成人さんが跡を継ぎ、再開させた。
由美子さんも成人さんの気持ちがとてもうれしかったと、前を向いて一緒に再開させることを決意。
「子どものときお父さんお母さんが買ってくれていて食べさせてもらっていたんですけど、やっぱりココがおいしいから買いに来ました」という人や、遠方から買いに黒滝村まで来る人など再開を心待ちにしていたお客さんからは歓びの声が多数。
多めに買って「おいしいから」と親戚や友人に勧めてくれて、それがどんどん広がって今では全国から問い合わせが入る。
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